以前は±5%程度だった誤差が、2018年1 ~3月期には±3 ~ 4%になりました。一部の部署では、±1 ~ 2%に収まっています。”

 

1873年の創業以来培ってきた多彩な技術を活用し、複合機(MFP)やデジタル印刷システムなどの情報機器事業、デジタルX線画像診断システムやデジタルマンモグラフィーなどのヘルスケア事業、計測機器や機能性フィルムなどの産業用材料・機器事業を、グローバル展開しているコニカミノルタ株式会社。そしてその販売、顧客へのサポートを提供するのがコニカミノルタジャパン株式会社だ。世界各地で利用されている同社のMFPは8万台を超えており、全世界の連結売上高は1兆円近くに上っている。この他にも「新しい価値の創造」という経営理念のもと、クラウドソリューションの提供や有機EL照明の実用化、プラネタリウム事業の育成などにも取り組んでいる。

「材料分野や画像分野などのコア技術、グローバルで150か国・約200万社に上る顧客・サービス基盤、そしてデザインシンキングなどのオープンイノベーションといったアセットを組み合わせ、課題提起型デジタルカンパニーになることを目指しています」と語るのは、日本国内の直販部隊を統括する上席執行役員 直販営業本部 本部長の小関 高行氏。その一方で多くのメーカー販社と同様に、良いものを作れば売れる、売上を上げるには足で稼ぐといった古い文化が、以前は色濃く存在していたと振り返る。「しかしMFPなどの商材はもはや差別化が難しくなっており、気合と根性で売り上げや利益を生み出すことは困難です。論理的営業行動への転換が必要だと感じていました」。

この目標を達成するため2013年1月に営業改革をスタート。まずは営業プロセスの可視化を進めていく。セールスステージを定義し、各ステージで何を行うべきか、次のステージに進むにはどのような条件を満たすべきなのかを明確にしていったのだ。その一方で、2013年には直販営業本部の配下にマーケティング統括本部を立ち上げるなど、分業による効率化も推進。営業担当者個人に依存する営業から、チームセリングへのシフトも進めていった。さらに3か月売上予測を週次で行うというオペレーションを行い、予測の精度向上にも取り組んでいった。

「先を読みながら数字を出す習慣をつけることで、お客様や案件のことをより深く理解するようになり、受注に必要な行動も自ずと導き出せるようになります。その結果、営業担当者個人の技術も向上し、組織全体の営業力も高めることが可能になります」。

 

この取り組みを地道に続けることで、2016年にはチームセリングの文化が定着。営業生産性は20%増加し、顧客価値時間が30%以上増えたという。また売上予測を高めるための営業との1on1ミーティングを毎週継続することで予測精度も向上。プロジェクト開始前はかなりの誤差があったが、この頃には±5%程度にまで縮小していたと小関氏は語る。

この取り組みをさらに前進させるため、次期営業支援システムの導入検討にも着手。既存システムは償却時期を迎えており、いくつかの問題も抱えていたからだ。

「以前のシステムは夜間バッチでデータを処理するようになっており、リアルタイムで情報を見ることができませんでした」と振り返るのは、直販営業本部 サービス営業統括部 統括部長の山内 浩氏。基幹システムとの連携が緊密であり、欲しい数字が得られないことも悩みの種だったという。「例えば成約を前倒しするために分割見積を行った場合、基幹システムに入力された見積額が直接反映される仕組みでした。しかし売上予測を行うには、分割前のトータル金額を知る必要があるため、別途計算し直さなければなりませんでした」。

複数のソリューションを比較検討した結果、最終的に選ばれたのがSalesforce Sales Cloudである。2017年3月に導入を決定し、同年7月から実稼働している。

「Salesforceを採用した理由は大きく3点あります」と小関氏。これまでやってきた改革のすべてを機能的に支えられること、リアルタイム性やマルチデバイス対応などの使い勝手、そしてシステム連携が短期間でできることだと説明する。また山内氏も「Salesforceは営業やマーケティングのベストプラクティスであり、他の選択肢は考えられませんでした」と語る。

Sales Cloudの導入とほぼ同じ時期に、インサイドセールスの組織を社内で立ち上げ、役割分担をさらに徹底。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスが同じ情報を見ながら、一気通貫で効率的な営業活動を展開できる体制を確立したのである。

「リード管理のシステムは以前もありましたが、営業支援システムと分断されており、営業にリードを渡した後のフォローができませんでした」と語るのは、直販営業本部 マーケティング統括部 セールス・マーケティング部の新福 玲菜氏。そのためリード獲得のためにセミナーなどのイベントを開催しても、それがどれだけ成約につながっているのかわからなかったという。「現在ではSales Cloudにリード情報を入力することで、営業に渡した後の状況をマーケティング部で把握できるようになりました。その結果、大規模なイベントよりもポイントを絞ったミニセミナーの方が案件化までの時間を短縮できるなど、新しいインサイトを実行に移すことができました」。

マーケティングが作成したリードは、いったんインサイドセールスが受け、電話やメールでアプローチを行う。ここでアポイントが取れたリードは商談化され、営業に引き渡される。

「以前はこのような役割分担の文化がなかったこともあり、インサイドセールスがどのような役割を果すのかわからないフィールドセールス担当者も少なくありませんでしたが、Sales Cloudで情報を共有することで、理解を深めてくれるようになりました。」というのは、直販営業部マーケティング統括部 セールス開発グループでインサイドセールスを担当する川口 奈緒子氏。インサイドセールスの活動記録にはChatterを活用しており、他のチームとのコラボレーションを推進する上でも重要な役割を果たしていると語る。「私たちがリードを案件化するときにはChatterで担当営業にメッセージを送っているのですが、このとき同時にメールも送られます。これは担当営業にこの案件を『自分ごと』として感じてもらう上で役立っています。また担当営業が訪問した後は議事録を取っているかどうかもChatterで確認しており、その内容をフィードバックしてもらうように働きかけています」。

営業支援システムをSales Cloudへと移行した結果、情報の即時性が向上し、売上予測の精度も向上した。以前は±5%程度だった誤差が、2018年1 ~3月期には±3 ~ 4%に収まっているのだ。一部の部署では、±1 ~ 2%という驚くべき精度を達成しているという。

またSales Cloudの活用は、顧客リストの整理にも効果的だと川口氏は指摘する。「営業担当者が個々で持っているリストやシートには十分にメンテナンスされていないものがありますが、Sales Cloudに入力することでデータが整理され、最新のリストができあがります。有効なものだけを残し、必要なリストをすぐに取りだせる、顧客データベースとして役立っています」。また直販営業本部は全社員で名刺管理にSansanを利用しており、これをSales Cloudと連携させることも視野に入っているという。

分業体制を徹底したことで、営業活動の生産性が日々向上をしている。昨年は営業担当者の数を2割削減したが、それ以前と同等以上の成果を挙げているのだ。現在は目下この新しい分業体制を定着させている時期なので、将来はさらなる効率化が期待できるという。

今後は対面チャネルだけではなく、オンラインでの非対面チャネルの拡充も進めていく計画だ。そのために2018年2月にはPardotも導入。「すでにメールを活用したリードナーチャリングに着手しており、今後はWebサイトでの行動履歴の情報もSales Cloudに取り込んでいく予定です」と新福氏は語る。

「この短期間でマーケティング・営業が一貫してSalesforce Platform上でつながり、リアルタイムの情報共有が行われるようになりました。さらに今後は、サービスとも統合され、マーケティング・営業・サービスがお客様の情報を中心に一気通貫でつながることになります。これからもデータにもとづく戦略策定と、営業行動を効率的かつ確実に実行していくバリューチェーンの構築を進めていきます」と小関氏。Salesforceはそのための情報基盤として、重要な役割を担っているのである。

 
 
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