株式会社リンコム

Salesforceとインサイドセールス組織によって、弊社の営業の型は当初描いた理想に限りなく近づきました。今後はメンバーを増やしながら、この型をスケールしていきます。”

株式会社リンコム 取締役 Senior Vice President 土屋 敏彦 氏
 

情報基盤刷新の一環としてSalesforceを導入
まずはCSVを使った“バケツリレー”をゼロに

1997年1月の創業以来、数多くの製品やサービスを生み出し続けている株式会社リンコム。「いままでなかったものを求め挑戦し続ける」というチャレンジ精神のもと、近年はチェーンストアの実行力アップに特化したクラウド「店番長」を主力製品とし、大手ドラッグストアやスーパー、ホームセンターへの導入が拡大しています。その営業活動を支援するため最初に活用がはじまったのがSansanです。
「私が入社した頃にはすでにSansanが導入されていました」と振り返るのは、2017 年7 月に入社し、現在は取締役 Senior Vice Presidentを務める土屋敏彦氏。しかしそこに入力された顧客情報を別システムや分析で活用するには、CSVでエクスポートし、Excelを使い手作業で管理する必要があったと語ります。「この情報のバケツリレーは手間がかかる上、扱っているのが個人情報なので、とても神経を使う仕事です。このままの形では続けられないと、入社してすぐに感じました」。
上記に代表されるようなさまざまな課題を変革するため、土屋氏が中心となって情報基盤の刷新に着手。「これまでの個々に分断された情報管理から、システム間連携の親和性が高いクラウドに全て移行する」ことを目標に、様々なクラウドサービスが導入されていきます。その一環として2018 年2 月にはSales Cloudの導入を決定し、その翌月には活用を開始。またMAツールも複数のサービスを比較検討した結果、2018年4月にはPardotの利用をスタートしています。
「CRMにSalesforceを採用したのは、MAであるPardotとワンストップで導入でき、安心して活用を進められるためです。」と土屋氏。ユーザーコミュニティでやり取りされている情報も多く、ここから得られる知見にも期待したといいます。「この機会に“The Model”のような営業の型を、自社に取り入れたいという想いもありました」。
導入やセットアップは自社内で実施。Sales CloudへのSansan名刺自動連携及びPardotの接続は、Webへの初期セットアップやマイグレーションも含め、全ての作業を4 日で完了しました。
 

少数精鋭かつ提案型製品でも訴求できる「営業の型」を模索
その過程で生まれたABMの基盤

このSalesforce導入の後に進めたのが、自社に最適な「営業の型」の模索でした。
「店番長はプロダクトアウト型のサービスであるため、店番長が扱う課題や業界共通のシステム名をずばり表現できるキーワードは存在していません。また少数精鋭の企業ということもあり、会社名、商品名の認知度もまだ高くありません。そのため検索広告などを活用したデジタルエンゲージメントが難しく、新規のお客様と接点を作るには、まずはイベント会場で名刺交換をするところからスタートし、少しづつ関係を構築していく必要がありました」。
そこで目指されたのが、名刺交換をファーストタッチ、メルマガやWebフォームなどのデジタルチャネルをセカンドタッチと位置づけ、インバウンド情報を収集・活用していくことでした。これに加えてもう1つ、興味深い取り組みが行われています。それは顧客となりうるチェーンストア企業の一般公開情報を集め、これを前述のインバウンド情報と統合するというものです。
「店番長のターゲットは主にチェーンストア企業であり、その数は5~6000 程度と限定できます。人(リード)の情報は名刺交換などを通じて都度入ってきますが、企業(アカウント)の総量に大きな変化はないのです。それなら対象となる企業を一旦全て取り込み、リストを形成するファネル全体を確定してしまおうと考えました。これによって狙うべき対象が明確になり、活動が単純化され、ファネルの変化も定量化できると思ったからです」。
この取り組みはその後、2019 年10 月に導入されたSansan Data Hubによって加速されていきます。Sansan Data Hubから得られる新たな属性情報を、Salesforceで集中管理されている活動履歴の情報と連携させることで、優先したいターゲット企業を戦略的に決定しアプローチしていくABMが可能になったのです。
「ここで重要なことは、グレードによってターゲットの属性を過度に抽象化しないことです。Sansan Data Hubでは複数のキーワードでターゲットをリストアップできるため、業種別の活況情報やSalesforceの活動履歴で絞り込んでいくことで、目的に合ったターゲットを精度よく抽出できるからです」。

欠けていたピースをインサイドセールスが補完
自社に最適な型の確立へ

ターゲット企業数が限定されているが故に、1 社1 社と中長期的にエンゲージメントを深めていく必要性は前からありました。一方で外勤営業は個社提案を優先度高く取り組んでいるため、案件創出や中長期的な興味醸成に向けた活動にリソースが割けないという課題もありました。この状況を打開するのが後に大きな成果をあげるインサイドセールス組織の立ち上げです。
「大切な見込みのお客様が、必要なときに欲しい情報を得ていただける心地のよい営業活動を行うためには、専門のミッションを持つメンバーが必要だった」と振り返るのは、リンコムで営業部 部長を務める藤原 寧之 氏。2020年4月のインサイドセールス組織立ち上げ時は、企画から2 週間と驚異的な短期間で実稼働までこぎつけた。その背景にはSalesforceの活用が定着化できていたことが大きかったといいます。
「インサイドセールスは、商談につながる案件創出と中長期的にコミュニケーションを行える見込み客数を増やす、この2つの役割を担っています。顧客の関心を常に把握した上で、少しでも興味につながる文面や表現でアプローチをしています」(藤原氏)。
その効果も着々と上がりつつあります。2020 年度はコロナ禍の影響で展示会自体が中止になり、翌2021 年度の展示会も緊急事態宣言の影響で来場者数が大幅に減少、接客数は前回開催時の半分以下となりました。それにも関わらず、Salesforceを中心としたDX化と素早いインサイドセールスによるフォローのおかげで、商談化率は約1.8 倍になったのです。また商談金額の合計も約2.5 倍になっています。
「Salesforceの導入後、店番長の売上は毎年2 桁成長を続けています。2020 年はコロナ禍で難しい環境ではありましたが、これまでの戦略的なデータ活用の積み重ねと、インサイドセールス組織の立ち上げによって、前年を超える成長を遂げられました。オンライン時代に合ったワークスタイルにシフトできたおかげで以前よりお客様へのアプローチの質や精度を高めることができ、ようやく目指していた営業の型が確立できました」と土屋氏。引き続きSalesforceとSansanを活用しながら、自社に最適な営業の型をベースにさらなるスケールを遂げる、リンコムと店番長の今後の飛躍から目が離せません。
※ 本事例は2021年7月時点の情報です
 

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