大切な顧客をつなぎ止めて掘り起こす、リテンションの効力

投稿日:2020.4.9
マーケティングにおけるリテンションとは、タイミングを見計らって顧客にアプローチし、クロスセルやアップセル、あるいは離脱防止を図る施策を指します。また、リテンションを適切に行うことで、休眠顧客の掘り起こしも可能になります。
ここでは、リテンションのメリットと、実際のリテンション活動についてご紹介します。

リテンションとは?

ビジネスの世界でリテンションといえば、人材の流出を抑える施策、あるいは顧客の離脱を防ぐための行動全般を意味します。この記事でご説明するのは後者で、すでに獲得した既存顧客が競合他社に奪われないよう、また、今まで以上に強力に定着してくれるように行うマーケティング活動を指します。

リテンションは既存顧客が対象であるため、中長期的な活動になりやすく、新規顧客の獲得に比べてつい後回しにされがちな面があります。しかし、定期的かつ効果的なリテンションは、低コストで収益の安定化やLTV(顧客生涯価値)の増大が図れますから効率的ですし、休眠顧客の掘り起こしにも活用できます。新規獲得とは別に、注力すべき領域といえるでしょう。

リテンションのメリット

リテンション活動で生まれるおもなメリットは、次の3つです。それぞれ、具体的に解説しましょう。

収益の安定化とLTVの最大化を図れる

企業を存続させるためには、必要な利益を常に上げ続けなくてはいけません。新規顧客だけでそれを賄おうとすれば、常に新規開拓を続ける必要があります。これでは、存続するために必要なリソースが大きすぎます。しかし、リテンションによって既存顧客へのクロスセルやアップセルを継続的に獲得できれば、利益を底上げすることができます。

また、既存顧客への適切なリテンションはLTVを高めることにつながりますから、収益の最大化という点ではとても有効な手段です。

セールスにとってのコア業務は進行中の商談のクローズですが、既存顧客へのフォローやリテンションも、最終的な売上を積み上げるためには欠かせないものなのです。

新規開拓よりコストが低く、利益率が高い

よく知られた「1:5の法則」によれば、新規顧客の獲得には、既存顧客の維持の5倍ものコストがかかるとされます。扱う商材や業種によって、これは必ずしも正確な数字とはいえないかもしれません。しかし、既存顧客が新規顧客に比べて、より低コストで効率良く利益をもたらしてくれることは間違いないでしょう。

既存顧客は、すでに自社あるいは自社製品のファンであり、信頼を寄せてくれる存在です。こうした顧客に継続的に購買し続けてもらうことは、新規の顧客を開拓するよりも遥かに低コストで実現でき、利益率を押し上げてくれます。これは、収益の安定化と並ぶ、リテンションの大きなメリットでしょう。

顧客の離脱防止と、休眠顧客の掘り起こしができる

星の数ほどのサービスや新商品が登場し続け、それらの情報がネット上で簡単に手に入る昨今。このような状況では、一度獲得した顧客が、いつまでも自社の顧客で居続けてくれるかという保証はありません。自社のサービスや商品よりも優れたものが安価で手に入るとなれば、そちらに移行してしまう可能性は常にあります。そうした事態を避けるために、リテンションはとても有効な手段です。

一方で、かつては自社の顧客だったにもかかわらず、その後のコミュニケーションがとれていない休眠顧客の掘り起こしにも、リテンション施策は活用できます。休眠状態とはいえ、一度は自社製品を購買してくれたのですから、新規リードを獲得するよりも効率的な可能性もあるでしょう。

この場合、「なぜ休眠してしまったのか」という部分が重要になりますが、休眠してしまった原因を分析し、改善した上でアプローチすることで、再び優良顧客に復帰してくれる可能性は高いと考えられます。

リテンション活動の実際は?

リテンションは、顧客の興味を引きつけることが第一で、そのための接点を常に維持しておく必要があります。接点となるチャネルはいろいろで、メール、SNS、電話、定期的な直接訪問などの方法があり、どれがいいかはケースバイケースです。

一般的には、定期的なメール配信が効果的です。しかし、どのチャネルでどんなコミュニケーションをとるかは、顧客に合わせて工夫が必要でしょう。

現在は「いかに顧客から選ばれるか」が企業にとっての課題です。そんな時代に、従来のような「押しの一手」の営業スタイルではうまくいきません。常に相手の立場に立った施策・活動を心掛けてください。

顧客が求めている情報を発信していく

リテンションの最初の目的が、「顧客の興味を引きつけること」ならば、相手はどんなことに興味を持つか、分析することが最初のステップとなります。興味のない記事ばかりのメルマガが何度届いても、リテンションにはつながりません。むしろ逆効果で、回を重ねるごとに相手の興味を削ぎ、やがては開封もされなくなってしまいます。ですから、まずは相手がどんな情報や知識を求めているかを明らかにするのです。

成約からまだ日が浅い時期ならば、製品の効果的な使い方やコツなどをまとめて知らせるといいかもしれません。あるいは、顧客と同規模の同業他社での活用事例なども参考になるでしょう。ありがちな間違いや失敗例とその解決法なども、顧客にとって欲しい情報かもしれません。

これらの情報を定期的に配信していけば、顧客の興味を引きつけながらコミュニケーションを維持することができます。

データを分析し、顧客ニーズをくみ取る

SNSやメルマガ配信は、自社から顧客への一方的なアプローチです。しかし時には、電話やメールでの問い合わせが入ったり、直接訪問して担当者と話をしたりという機会もあるでしょう。アンケートで顧客の声を聞くということもあるはずです。そうして得られた情報を分析することで、顧客側の新たなニーズを推測することができます。

さらに、担当セールスとして、顧客側の内部事情をその一端でもつかんでいれば、どのような業務課題を抱えているか、見当をつけることもできるでしょう。リテンション活動によって、顧客と双方向のコミュニケーションをとることで、顧客からフレッシュな情報を集め、それを基に顧客ニーズの仮説を立てることができるのです。

もちろん、あくまでも仮説ですので、相手に確認してみないことには正解かどうかはわかりません。しかし、「こうしたことでお困りではありませんか」という問いかけは顧客の興味を惹くはずですし、もし正解でなかったとしても、ほかのニーズを引き出す呼び水にもなります。

SFAやCRMなどのツールを使いこなそう

これまでにご紹介したリテンション活動を効果的に行うためには、顧客情報はもちろん、どのようなプロセスで商談を進めて成約に至ったのか、その後はどんなやりとりがあったのか、問い合わせや相談などはなかったかといった、その顧客とのコミュニケーション履歴も必要です。

それら多くの情報を分析して、顧客の現在の状況を想定し、クロスセルやアップセル、あるいは追加販売などの余地があるかどうかを検討して、どんな活動でリテンションをかけるかを考えなくてはなりません。となると、SFAやCRMなどのツールが不可欠となります。

これらのツールは、顧客に紐づくあらゆる情報を扱うことができ、時間軸に沿って管理し、さまざまな切り口で抽出・分析することができます。また、リテンション活動に関しては、マーケティングツールであるMAを使うといいでしょう。「いつ誰にどんなアプローチをして、その結果がどうだったか」というリテンション活動の履歴をMAで管理・分析するのです。そうすれば、回を重ねるごとにリテンション活動の成果を高めることもできるでしょう。

今以上の価値を提供し、利益の最大化を

顧客があなたの企業とその製品を選ぶ背景には、必ず相応の理由があります。それを理解し、選ばれ続けるためにはどうすればいいかを常に分析し実践することが、リテンション活動の基本です。

ですので、その過程で使えるツールは存分に活用しましょう。既存の顧客や休眠顧客に今以上の価値を提供し、それとともに利益の最大化を目指してください

 

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