株式会社NTTぷらら

「ひかりTVショッピング」は後発なので、お客様ごとにカスタマイズした情報や体験を提供しなければ利用していただけない。”

株式会社NTTぷらら コンテンツ事業本部 サービス戦略部 コマース担当 山﨑 賢人 氏
 

顧客ごとのアプローチ最適化・効率化で
5年でメール経由の売上12.5倍を実現!

商品数・顧客数の急増により
顧客アプローチの最適化・効率化が急務に

株式会社NTTぷらら(東京都豊島区)は、インターネット接続サービスと映像関連ビジネスを事業の柱とし、クラウドゲームや音楽配信サービスなどのマルチサービスを展開しています。サービスのひとつである「ひかりTVショッピング」は、映像配信サービス「ひかりTV」の契約者への付加的なサービスとして2010 年に誕生したものです。
同サービスは当初、録画用HDDなど限られた商品の販売からスタートしましたが、その後、取扱商品を家具家電や日用品にまで広げ、顧客数と売上を大幅に伸ばしました。その結果、「ひかりTV」の契約者以外の顧客数も大きく拡大し、純粋なショッピングサービスとしてはもちろん、リードを獲得して「ひかりTV」へ送客する顧客接点としても、重要性と貢献度が飛躍的に高まっています。
一方で、そうした急激な成長は、マーケティング上の深刻な問題を生み出す要因にもなりました。同サービスは、前述のような経緯で始まっただけに、その運営に携わるコマース担当チームには、もともとそれほど多くの人員が配置されていたわけではありません。実質3 人ほどのメンバーで、顧客の購買データやサイト内行動データなどをもとにしたターゲットの抽出から、キャンペーンの企画、シナリオの立案、メールコンテンツの作成、配信までを手動で行わなければなりませんでした。そのため、顧客ごとに最適化したアプローチをしたいと思っても、毎日行うのはとうてい不可能。かといって週1 回、月1 回では最適なタイミングを逃してしまいます。コマース担当チームの山﨑賢人氏はこう振り返ります。
「数十万人のメルマガ会員に対して、同じ内容の購買促進メールやキャンペーン告知メールを一斉送信しても、ごく一部の方にしか関心を持っていただけない。取扱商品が急増し、お客様の属性やニーズが多様化するにつれて、開封率やクリック率はどんどん低下していきました。必要なデータはあり、やりたいことは見えているのに、現実としては同内容のメールを一斉送信する以外に打てる手がない。One to Oneマーケティングを可能にするツールの導入を真剣に考えるようになりました」(山﨑氏)
 

将来的なビジネスの拡大に備え
拡張性の高いMarketing Cloudを選択

そうした中、コマース担当チームの目に留まったのがMarketing Cloudでした。
「目先の課題を解決する機能だけで判断すると、ビジネスが拡大したときにまた別のツールが必要になる。将来的な拡張性を考慮したとき、Marketing Cloudのほぼ一択でした。導入当初はペイしなくても、5~10 年後を見据えれば、お客様の満足度を上げる上でも欠かせない基盤となり、十分な費用対効果を見込めると思ったのです」(山﨑氏)
2015 年、Marketing Cloudを導入した同社は、「ひかりTVショッピング」における顧客の閲覧履歴をもとにした最適なキャンペーンの案内や、購入金額に応じた特別クーポンの送付、キャンペーン参加条件をクリア目前の顧客へのお知らせなど、月間数本のキャンペーンと常時10本前後のパーソナライズメールのシナリオを走らせました。Marketing Cloudなら、目的や対象者が多様なメールを、少人数でも負担なく出し分けることができます。
「以前はメールを1 本作成してテストするのに非常に工数がかかりましたが、Marketing Cloudならメールのスクリプトを書いてすぐにプレビューで内容を確認できます。設定等の作業も含めて業務負荷は体感で半分以下になり、PDCAのスピードが格段に速くなりました」(山﨑氏)

優れたUIによる作業効率化で常時30本のシナリオを稼働
複数チャネル、最適なタイミングでのアプローチが可能に

続いてコマース担当チームは、Journey Builderを利用してシナリオ立案・実装の作業効率を上げ、常時動かせるシナリオの数を大幅に増やしました。
「UIが非常に優れているので、『開封されたら2 通目は送らない』『購入していなければクーポンの割引率を上げる』など、シナリオの分岐をイメージして簡単に設定でき、浮かんだアイデアをすばやく実行できます。そこで、新たな施策を1か月に1 本のペースで追加して検証し、効果の出なかったものはやめる、というPDCAを繰り返しました。その結果、定常的に走らせるシナリオの数を2か月に1 本ずつ増やすことができました」(山﨑氏)
もうひとつ、コマース担当チームにとって欠かせないツールとなったのが、AIを搭載したTableau CRMです。
「お客様の行動や状態に関するデータをTableau CRMで分析すると、どんなコンテンツのメールをいつ配信すると開封率が高いか、メールを1 人当たり何通送ると開封率がどのぐらい下がるかなどをダッシュボードやレポートで確認できます。お客様の現状をリアルタイムに把握し、すぐさま次の施策へつなげるというのは、これまで決してできなかったことで、本当に助かっています」(山﨑氏)
コマース担当チームは、コンテンツを出し分けるチャネルをLINEやデジタル広告にまで拡大。たとえば、購入回数の多い顧客やポイントが失効しそうな顧客を抽出し、それぞれに適したキャンペーンや製品を、より最適な場所とタイミングを選んで提案するわけです。さまざまなチャネルと容易に連携できる高い拡張性は、まさに導入時に期待した通りだった、と山﨑氏は喜びます。
「最初はメールだけの利用でしたが、今はLINEと連携させたり、Advertising Studioで広告を配信したりと、お客様一人ひとりに合うコンテンツを提供できています。導入のとき、もし別のツールを選んでいたら、今、ビジネスが止まっていたかもしれません」(山﨑氏)

チーム・部署の垣根を越えた連携が活発化
メール経由の売上が5年で12.5倍に!

つながったのはデータやチャネルだけではありません。組織の垣根を越えた連携が生まれたのです。
「他のサービスを運営するチームから『こちらのサービスと連携させて、こういうシナリオはできないの?』といった相談やアイデアがたくさん寄せられるようになりました。チーム間で互いにアドバイスし、いい事例を共有してすぐに展開できるようになり、全社的に関心が高まっています。Marketing Cloudで配信したメールを開封した別部門の本部長から、『このメールはいいね、すごく興味を持ったよ』といわれたときは本当に嬉しかったですね」(山﨑氏)
チーム間の連携が強化され、利用できるデータの種類や量が増えれば、当然、打てる施策の幅は広がります。コマース担当チームは、「ひかりTVショッピング」だけでなく、「ひかりTV」や「ひかりTVゲーム」など社内の他のサービスから収集した顧客の行動データの活用も進めています。
「『ひかりTV』で過去に特定の映像VOD作品を見たお客様を抽出し、関連する『ひかりTVショッピング』の商品やキャンペーンを提案する。そういう今までできなかったサービス間の連携が可能になり、複数のサービスを持つ弊社の強みをいっそう活かせるようになりました」(山﨑氏)
留まることなくMarketing Cloudの活用範囲を拡大し、使い方を洗練させていった成果は、数値にもはっきりと現れています。従来の一斉配信メールで平均約19%だった開封率は平均約30%にまで上昇し、施策によっては60%に達するようになりました。その結果、Marketing Cloudの配信メール経由の売上は、2015 年から2020 年の5 年間で約12.5 倍に跳ね上がりました。
「『ひかりTVショッピングからのメールでこの製品の発売を知った』『ポイントを失効させずに使えてよかった』といったお客様の声をSNSなどでよく目にするようになりました。お客様の求める情報をきちんとお届けできているのだなと感じて、次のステップへ進もうというやる気が湧いてきます。今後もさらなるチャネルの活用やお客様対応の向上に励みたいと思っています」(山﨑氏)


※ 本事例は2021月11月時点の情報です

 
 

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